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ソロスは警告する 超バブル崩壊=悪夢のシナリオソロスは警告する 超バブル崩壊=悪夢のシナリオ
ジョージ・ソロス /松藤 民輔 (解説)
講談社 刊
発売日 2008-09-02
オススメ度:★★★★



難解な本ではない 2008-10-17  レビューを書いている時点で、株は乱高下。 もはや、一日の上がり下がりにムリヤリな理由付けをしても意味が無い。 ただ、言える事は、同時に、原油や農産物先物も下がっている。 ヘッジ・ファンドが自社の生き残りのため、何が何でも現金を抱え込み、嵐が過ぎ去るのを待とうとしている。 マネーのタンス預金化。 自らの仕事の放棄。 嵐はいつまでも止まず、閉じこもったまま衰弱死するかもしれない。  ここには、金融工学もヘッタクレもない。

 本書は、分厚いし、値段はそれなりに張るし、買ったが難しい経済学理論を理解できなくて後悔しそうだと、購入を躊躇されている方も居るのではないかと想像する。 評者自身、そうだった。 ご安心ください。 難しい経済学は出てきません。 なぜなら、乱暴に言えば「金融工学なんぞ、今までも今回も、バブルが起きて崩壊する過程で、役に立ったことはないじゃぁないか」という本だからだ。

 彼の思想の根幹を作り上げたきっかけは、ロンドンで貧乏学生時代に出会った哲学者;カール・ポパーの著作にある言葉、
「ナチス思想も共産主義も”究極の真理を獲得した”と主張する点では、そっくりだ。」
である。 ここから発展して、彼は「市場はいずれ最適値に収斂する」ことを”究極の真理”と考える経済学を否定することとなる。

 ソロスの市場に対する取り組みの秘訣は、市場に対して、規模についても時間軸についても定量的な評価はせず、経験から得た、バブルの発生、成長から終焉までのストーリーを組み立て、現在どのフェーズに位置するかを冷淡に判断して、空売りテクニックも駆使しながら売り抜けることだ、と読み取った。

 彼は、住宅バブルも含む個々のバブルの後ろに、長期で育ってきた”金融システム”そのものに対する”信用膨張”という”超バブル”があり、今回、それが暴落のフェーズに入った、という仮説を説く。 この”超バブル”も、彼のバブルのストーリーの法則に合致していると理解できる。

 彼は、「市場原理主義」は「ナチス思想」「共産主義」に並ぶ怪しい思想だと考えている。 「マルクス経済学」が純粋な科学ではなくイデオロギーの側面が主体であったのと同じように、「金融工学」は科学ではなくイデオロギーである、と訴えている。
 強引で説得力の欠ける部分もあるが、トータルで見れば、経済学者よりも彼の主張が説得力で勝る。 目の覚める怪書、という評価をさせていただく。
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